皆様に「能」に親しんで頂けるように、能楽師 大槻裕一が「能」のいろはをお届けします。

って難しい!敷居が高い!もっと知りたい!

そんなあなたへ、初めての能鑑賞Q&A


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Q能ってなに?
A能とは一つの物語のことです。 現在演じられている舞台芸術では世界最古ともいわれています。 能も演劇の一つです。 ただ、テレビや映画で見る演劇とはちょっと変わっていて、能は舞踊と音楽が 中心です。 「謡(うたい)」という声楽と「囃子(はやし)」という楽器演奏に乗せて、舞踏的な動きで 物語を進めてゆきます。 簡単にいえば、能はミュージカルやオペラに近い存在といえるのです。
Q狂言ってなに?
A能が歌舞劇なら狂言は台詞劇です。 それも多くは庶民の日常を描いたコメディです。 能と狂言はもとは同じ猿楽という芸能でした。 能と狂言を合わせて能楽といいます。
Q鑑賞の際に気をつける事は?
Aあらすじや見どころを頭に入れ、舞台の流れを把握しておくと良いでしょう。余裕があれば謡の詞章を用意して。初心者の方には言葉を追うよりも、舞や囃子と謡のアンサンブルなど、能舞台全体の雰囲気を楽しむことをオススメします。
Q上演時間はどのくらい?
A「五番立」という能の基本的な上演形態では大変長い時間を要します。しかし最近は五番立で上演されることは稀。公演によって番数が異なるので、1曲が1〜2時間を目安に考えて下さい。
Q能楽と歌舞伎はどう違うの?
A江戸時代に生まれた歌舞伎に対し、能狂言は三百年ほど先輩にあたります。一括りにされがちですが、実は生まれも育ちも異なります。ただ歌舞伎が能狂言の影響を受けて成立しているため、似通った部分があるのも確かな事です。お囃子の種類も似ていますし、舞台の造りも何となく近いものがあります。ストーリになじみがあるという意味では、歌舞伎の好きな方は、能狂言にも親しみやすいかもしれません。
Q拍手をするタイミングはいつ?
A日本の演劇には拍手の風習はなかったのですが、今は西洋からの流れで、終演直後の拍手が多くなっています。能の場合は一曲が終わり、全ての演者が舞台から引いたあたりが良いかと思います。曲目にもよりますが、終了後も物語の余韻を楽しんで頂ければ、能役者冥利に尽きます。